Q8:生理なのか何なのか、よくわからない出血があった! A8 :生理以外の原因による出血(不正出血)は、特に珍しいことではありません。 主なものは、 ●排卵出血(排卵期出血) ●着床時出血(着床出血) ●腫瘍や炎症など、病的な原因による出血 ●ホルモン異常による出血 ……などです。既に妊娠している場合は、子宮外妊娠、流産の兆候などにより出血することがあります。 こちらでは排卵出血と着床時出血を中心にご説明します。 【排卵出血】 文字通り、排卵期に出血をみるものです。 下腹部にチクチクするような痛みをともなう場合もあります(排卵痛。卵子が卵巣を突き破って出てくるときに痛む場合もあれば、排卵期の一時的なエストロゲン減少によって痛む場合もあるようです)。 あるいは、「下腹部痛のみ自覚されて出血はない」「出血だけあって下腹部痛はない」ということもあります。 出血と痛みの程度は、ほんのわずかな場合もあれば、大出血や激痛になることもあります。 もちろん、「痛みも出血もない」という人もいます。 【着床時出血】 これまた文字通り、受精卵が子宮内膜へ「着床」する際、出血をみるものです。 受精から着床までは通常、1週間〜10日くらいはかかります。 つまり、出血する頃には生理予定日とほぼ同時期になっています。 そのため生理と勘違いしやすく、妊娠に気づくのが遅れる場合があります。 このような着床時出血と生理の混同が、「もし妊娠しても最初の生理は来る」というような認識を広めてしまっているようです。 (関連情報:Q28) そもそも着床時出血は生理とはまったくの別の理屈で起こるもの(下記参照)ですし、妊娠すれば必ず起こるというものではありません。 着床時出血は俗に「妊娠生理」とも呼ばれるようです。 これは間違ったネーミングだと思います。 生理は、 「妊娠していなかったために不要になった子宮内膜の一部が剥がれ落ちる現象」 です。体から「内膜を育てるのをやめなさい」という命令が出て、そのために剥がれるものです。 妊娠とは、「受精卵が子宮内膜に着床すること」です。着床時出血はその際に内膜から出血することがあるというだけで、生理とは異なるものです。 【出血が起きた際の判断方法】 とりあえず、以下の点をチェックしてください。 【1】通常の生理と比べて、量はどうか。 排卵出血・着床時出血は、通常の生理より出血量が少なく、期間も短い場合がほとんどのようです。 ただし、ときおり生理なみに出血する例もあるそうです。ご注意を。 【2】基礎体温はどうなっているか。 ■排卵時期(基本的には、体温が低温から高温に移行している頃)の出血 ……排卵出血の可能性が強まります。 ■高温期1〜2週間前後で出血し、体温低下がないまま出血が終わった場合 ……着床時出血の疑いが強くなります。体温の様子を見つつ、折をみて検査薬を。 ■高温期が3週間以上続いている状態で出血した場合 ……子宮外妊娠や流産の兆候かもしれません。至急病院へ。 ■体温低下があった場合 ……出血量が少なくても、生理である可能性が高いです。 平均的な生理の期間は5〜7日くらいですが、最短3日間でも、正常な持続日数のうちには入ります。また、出血がごく少ない過少月経というものもあります。(関連情報:Q6、Q27) ※一度体温が下がっても、その後また上がったような場合は、妊娠の可能性が復活します。 …いかがでしたでしょうか。 これらをチェックしたうえで、排卵、着床、生理、妊娠、いずれにもあてはまらないと思われる場合は、体に異常がある可能性が高くなります。 ただし、重要な注意点があります。 異常による不正出血は、いつ起きてもおかしくないものです。 自力での原因判断には、限界があります。 (関連情報:Q19) 原因の特定には、医師による検査・診断が不可欠です。 出血したという事実があるだけでは、はっきりとした原因はわかりません。原因が複数重なっている場合もあります。 基礎体温の動きをよく観察したり、正しい時期に妊娠検査薬を試したりすることで、自力での判断も多少はできますが… よくわからない出血があったら、早めに専門医に相談するのが賢明です。 (関連情報:Q18) |
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