Q28:「妊娠しても、最初の月は生理が来る」と聞きました。本当ですか。

A28 :嘘です。
 というか、おそらくは誤解による思い込みが広まってしまっているのだと思います。
 妊娠が成立したあとで、経過が順調にもかかわらず生理になるようなことは、基本的にはありません。

 【生理と間違われやすい出血】

 誤解が広まる原因として、まず考えられるのが着床時出血(着床出血)の存在だと思います。
 これは文字通り、着床時に出血をみるものです。(人によって、起きる場合と起きない場合があります。起きない人のほうが多いはずです)
 そして、これが起こる時期はたいていの場合、生理予定日付近です。妊娠していない場合の「排卵→生理」の期間と、妊娠する場合の「排卵→受精→着床+出血」の期間が、ほぼ似通っているためです。

 基礎体温がうまくつけられていれば、高温を維持したまま出血します。
 そのため、「これは生理ではない」とわかります。
(出血終了後に検査薬を試せば、おそらく反応が出ます。高体温のままなのに検査薬が陰性を示す場合は、ホルモン異常、炎症、子宮外妊娠などの可能性が出てくるかと思います)

 しかし、体温をつけていない、あるいは読み取りにくい場合、生理と勘違いしてしまい、結果「妊娠していたのに生理があった」と思い込んでしまうことがあります。
「妊娠生理」という俗称は、このあたりから来ているのかな、と思います。
 (関連情報:Q8

 また、子宮外妊娠や流産の兆候などで出血が起きる場合もあります。

 【突然の排卵や、精子の長生きで妊娠していた場合】

 生理の付近で不意に排卵が起き、受精する場合があります。
 この場合、「妊娠していたのに生理があった」というより、「生理後に妊娠が成立した」ことになるかと思います。

 生理中を含め、生理の付近は一般に排卵が起きにくい(=妊娠しにくい)時期ではあります。
 しかし、排卵は気まぐれなものです。どうしてこんな時期に?というような排卵も起こります。
 また、精子は長ければ1週間〜10日くらい生きます。次の排卵まで精子が長生きし、受精することがあります。
 そのため、「セックス後まもなく生理が来た」「生理中にセックスした」というような場合は、後日検査をしたほうが良いです。
(関連情報:Q4Q16Q29Q43

 なお、基礎体温をつけていない場合、生理と不正出血を混同しやすくなります。ここにも注意が必要です。
(関連情報:Q8

 


BACK「生理の正常・異常」 | TOP | NEXT「セックス後に生理があったが」