Q27：正常な生理と、そうでない生理を判断するには？ A27 :日本産科婦人科学会で、生理（月経）について以下のように定められています。 【月経】 約一ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる、子宮内膜からの周期的出血。 【月経周期】 「周期日数」 月経開始日から起算し、次回の月経開始日までの日数のこと。 正常範囲は周期日数が25〜38日の間にあり、その変動が6日以内である。 「頻発月経」 周期が短縮し、24日以内で発来した月経のこと。 ※「月経開始〜排卵の期間が短い場合」「排卵〜次の月経開始の期間が短い場合」「無排卵の場合」などが考えられます。 また、不正出血との区別がつきにくいこともあります。 「稀発月経」 周期が延長し、39日以上で発来した月経のこと。 ※基礎体温がきちんとした相になっている（低温期のあとに、約2週間の高温期があり、生理とともにまた低温期に入る）のであれば、あまり心配はいりません。 しかし、無排卵の状態が続いている場合や、数ヶ月に一回しか生理がないような場合は治療が必要です。 「不整周期」 正常周期にあてはまらない月経。 【月経持続日数及び量】 月経持続日数の正常範囲は3〜7日である。 「過短月経」 出血日数が2日以内のもの。 「過長月経」 出血日数が8日以上のもの。 「過少月経」 月経血量が異常に少ないもの。 「過多月経」 月経血量が異常に多いもの。 ※過短月経･過少月経は、子宮の発育不全、子宮内膜の萎縮、ホルモン分泌異常、無排卵などが考えられます。 また、不正出血との区別がつきにくいことがあります。 基礎体温がうまくつけられていれば、ある程度原因の見当がつけられることがあります。生理と不正出血の区別も、ほぼ可能です。 （関連情報：Q6、Q8、Q19） ※過長月経･過多月経は、子宮筋腫や子宮内膜症などの場合があります。生理痛のひどい人、とつぜん経血量が増えた人は、特に注意が必要です。 また、無排卵の場合に、少量の出血がだらだらと長期間続くことがあります。 【無月経】 月経がない状態のこと。 「生理的無月経」 初経以前、閉経以後ならびに妊娠、産褥、授乳期における無月経のこと。 「病的無月経」 性成熟期における、月経の異常な停止。 「原発性無月経」 満18才になっても初経が起こらないもの。 ※性器異常、機能異常、ホルモン異常、染色体異常などが考えられます。 「続発性無月経」 これまであった月経が3ヶ月以上停止したもの。 但し、生理的無月経の場合はこの期間にとらわれない。 ※脳下垂体などの病気が原因になっていることがあります。 また、ストレスや過度のダイエットなどによるホルモンバランスの乱れが、無月経を引き起こすこともあります。（関連情報：Q15） ▼以上の定義に示されることのほかに、生理の様子についてよく拝見するお悩みをざっと書き出してみました。 【レバーのような血のかたまりが出る】 ……全体的な出血量が多すぎず、出血日数も正常な範囲内であれば、おそらく問題ないと思われます。 もともと生理は、血液だけでなく子宮内膜が剥がれ落ちてきているものです。そのため、塊のように見えるものが出たりすることがあります。 また血液成分はご存知のとおり、時間が経つとかたまるので、それがレバー状に見えることがあります。出血量が多い場合にはこういったかたまりが出やすいそうですので、やはり全体の出血量に注意されておくと良いと思います。 【血の色がいつもと違う】 ……基礎体温などから「これは生理だ」としっかり判断でき、かつ出血量も通常であれば、異常である可能性は低いかと思います。 とはいっても、生理にしても不正出血にしても、色や量のみで正常･異常を決めることはできません。 【一度止まったと思ったのに、また出血し始めた】 ……生理開始日〜完全に出血が終わるまでの日数が正常範囲内であれば、心配ないと思います。 特に、「昨日おさまったと思ったのに、今日はまた出血していた」というような、ほんの短い時間の停止でしたら、まず何の問題もないのではないでしょうか。 あまりにだらだらと長期間出血が続くようでしたら、医師にご相談ください。 また、数日以上の間隔を空けて再出血したような場合は、生理と不正出血が続けて起きた可能性もあるかと思います。 【基礎体温が下がらない】 ……出血開始より1〜2日後の体温から低温を示す場合もあります。たまたま検温に失敗して、高温を記録してしまうこともあるでしょう。 まったく体温低下をみないまま出血が終わってしまった場合は、出血は生理ではないかもしれません。（関連情報：Q14） ……これらはあくまで一般的なお話ですので、気になる場合は迷わず専門医のもとを訪れてくださいませ。 |
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