Q6:基礎体温とは?

A6 :基礎体温は「覚醒時体温」とも呼ばれます。食事、運動、緊張などによる影響を受けていない体温のことです。
 本来は睡眠中の体温を見るべきなのですが、さすがに無理なので、起床直後に検温します。

 基礎体温は、ホルモンの状態によって周期的に値が変化しています。
 この動きを見ることで、

 ・排卵の有無のチェック
 ・排卵時期の把握
 ・正確な次回生理予定日の予測
 ・黄体機能の確認
 ・妊娠の早期判断

 …などが可能です。
 また、生理と不正出血の区別がほぼ可能です。不正出血が起きたとき、その原因をある程度まで判断できる場合もあります。
 避妊に利用したい場合は、絶対に体温のみを頼りにしないでください。必ず、避妊具に基礎体温法を併用する方法をとってください。
 検温ミス、読み取りミス、体温リズムの狂い、精子や卵子の寿命などの影響があるため、体温法単体での避妊効果はかなり低いものです。
 基礎体温法は、避妊具との併用で真の力を発揮します。
 【一般的な基礎体温の動き】

 低温相と高温相に分かれています。

(1)生理のときは低温です。
 低体温は、排卵のころまで維持されます。
 なお、排卵時期はいつごろ来るか予測ができません。そのため、低温が何日間くらい続くかは、低温期が終わるまでわかりません
 排卵時期付近を境にして、体温は高温期に移っていきます。
 ★排卵は、一般的には「低温相の最終日から高温相にかけてのどこかで起こる」とされます。
 ★低温期の終盤に体温ががくっと下がることがあります。その日が排卵日であるとしばしば言われますが、必ずしもそうではありません。また体温陥落日自体、記録できないことも多いです。これは1日1回の検温であるため、体温変化のタイミングをうまく掴めないことが多いからです。
 ★実際にはこの「一般的な排卵のタイミング」に全く合わない、妙な時期にふと排卵するようなこともあります。


(2)その後は、妊娠していなければ約2週間(12〜16日程度)で高温期が終わります。
 体温は再び下降し、低温期に戻り、生理が来ます。
 ★低温になってから出血が始まることもあれば、出血し始めてから低温を記録することもあります。これも、体温変化と検温のタイミングのずれによるものと思われます。
 つまり、低温期から高温期に移った時点で、「次の生理予定日はあと約2週間後だな」とわかるわけです。
 ★高温期が約2週間をこえないうちは、たとえ「いつもの周期日数」を過ぎていても、生理予定日ではありません。

 妊娠している場合は、3週間以上高温が続き、生理もありません。
 ★まったく低温にならずに出血があった場合は、妊娠に関係する出血である可能性が高くなります。ホルモン状態の乱れも考えられます。専門医に検査をお願いしてください。
 ★逆に、体温が下がっても出血がないような場合は、念のため検査薬を試し、やはり専門医に相談してください。


 ▼妊娠していない状態の基礎体温グラフサンプルです。(わたしの過去の体温グラフを参考に作成しました。あくまで一例ですので、実際のグラフには個人差があらわれます)


 【体温値】

 体温の値は、人によって差があります。
 平均的には、
【低温期】36.5℃程度
【高温期】37.0℃弱
 くらいでしょうか。
 平熱の低い人は、これより低くなるようです。(わたしも低いです。低温が36.0〜36.4℃くらい、高温で36.5℃〜36.8℃くらいです)
 平熱と同じくらいの体温が、基礎体温の低温であることが多いようです。


 【測定方法】

 薬局で「婦人体温計」を購入し、毎日起床時、できるだけ動かない状態で、舌下検温します。舌の裏側の付け根あたりに体温計の感温部を密着させ、口を閉じます。
 よく「毎日同じ時刻の検温でないと駄目」と言われますが、実際は6時間以上睡眠を取ったあとなら、多少検温時刻が違っても大丈夫です。
 とはいっても、「ある日は早朝、ある日は夕方」とまで測定時刻にばらつきがあると、信頼できる測定結果は得にくいかもしれません。

 測定上の注意点は以下です。

 ■検温前に起き上がって動いたり、飲食したりすると、値が高く出る
 ……枕もとの体温計に手を伸ばす程度の動きなら、さほど影響はありません。
 起き上がらなくても、うっかりぐ〜っと伸びをしてしまったり、咳き込んでしまったりすると、かなり上昇します(作者経験上)。要は、「なるべく体に力を入れない」ことでしょうか。


 ■睡眠不足が影響することがある
 ……一般に、睡眠が不足すると体温は低めに出るようです。
 徹夜に近いような状態だと、高く出るかもしれません。


 ■室温が影響することがある
 ……夏場は高め、冬場は低めに出ることがあります。

 ■精神状態が影響することがある
 ……ひどく緊張したりすると、体温が高く出ることがあるようです。
(わたし個人の話ですが、測定中、突然の物音に驚いて体温が一気に上がったことがあります)


 ■風邪などの発熱が影響する
 ……ごく軽い風邪の微熱でも、影響があります。
 基礎体温測定後、ふつうの脇下検温もしてみて、熱が出ていないか確かめてみると良いと思います。


 ■つけはじめたばかりの頃は、慣れなくて安定しないことも多い
 ……最初の2ヶ月くらいは、グラフがガタガタになってもあまり焦らず、のんびり測定してみてください。

 いずれも、測定に慣れて、自分の体温がわかってくれば、誤差も考慮して総合的に判断できるようになります。
(睡眠不足や風邪、測定時刻の大きな狂いなど、体温に影響の出そうな要因があった日は、体温表の余白にメモしておくと良いです。これは医師にグラフを見てもらうときにも重要なことです)


 【体温の様子がおかしいとき】

 体温が二相性を示さない、高温期が短い、高温期が無かった、等々、グラフをどう見ても一般的な体温リズムと全く違うときは、Q14をご参考に。


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