事後緊急避妊のために中用量ピルの処方を受けた際、いただいた説明書のようなものがあります。
 それにはおおむね、以下のようなことが書かれています。
 緊急避妊を扱う全ての病院で配布されるのかどうかはわかりませんが、何かのご参考になれば。
 (※原文そのままではありません。でも、大意は全く変わりません)
 (※「★」のある部分は、るくがちょっと気になった個所です。あとからその点についてすこし触れます←エラそうだ…

 「緊急避妊とは、あなたが無防備なセックスをしてしまった場合に、妊娠を防止する方法です。セックス後数日以内に行なわれなければなりません。
  これは大抵の女性にとって、有効で安全な方法です」

 「避妊目的で使用する経口避妊薬と同様なホルモン剤です。緊急避妊用の独特な使用方法になります」

 「月経周期のどの時期に服用されたかによって作用の仕方が異なりますが、たとえば排卵の抑制、受精を妨げる、受精卵の子宮への着床を阻止するなどが考えられます。
  妊娠の成立とは受精卵が子宮内膜に着床することですから、着床後には緊急避妊が有効でないことは言うまでもありません」

 「最初のピルはセックスから72時間以内に服用しなければなりません。次に、その12時間後に服用します」

 「効果は100%というわけではありません。正確に使用しても、2%に妊娠を防止できない場合があると言われます。
  仮に、緊急避妊ピルが頻繁に使用されたとしても、経口避妊薬を避妊目的で継続的に服用している女性に比べ、妊娠率はかなり高くなります。したがって、この方法は経口避妊薬の代用とはなりません」

 「安全な方法です。世界では70年代半ば頃より、緊急避妊ピルが利用されています。
  ただし、経口避妊薬についても同様ですが、飲んではいけない人、慎重に使用したほうが良い人がいます。不安なかたは医師にお尋ねください」
 ……(★1)

 「一時的ですが気持ちが悪くなったり、吐いたりすることがあります。頭痛、めまい、腹痛、乳房緊満などが起こることもあります。
  これらの副作用は24時間以上続くことはありません」

 「効果はすぐにはわかりません。数日ないし数週間後に月経があって、はじめて本当に効いたとわかります」

 「これまで知られている限り、緊急避妊に失敗して妊娠しても、ピルのせいで異常妊娠であったり、赤ちゃんに異常があったりということはありません」

 「緊急避妊のピル服用後に無防備なセックスがあったとしても、それによる妊娠をも防げるわけではありません

 「性感染症を予防することはできません。感染していないか不安でしたら、予防法、治療法について医師に率直にお尋ねください」

 「セックスから72時間が既に経過していた場合は緊急避妊ピルの服用をあきらめてください。他の方法(たとえば、5日以内であれば子宮内避妊器具を挿入する)について、医師と相談してください
 ……(★2)

 「無防備なセックスが行なわれた後、72時間以内にできるだけすみやかに、水か牛乳で2錠の中用量ピルを服用してください。
  その12時間後に同量のピルを服用します。
  食後に服用すれば、悪心を防げるかもしれません」

 「服用後2時間以内に吐いてしまった場合、医師に相談してください。時には追加して服用する必要があります。
  2時間をこえてからの嘔吐は心配いりません。すでに薬の効果を表していると考えてよいでしょう」
 ……(★3)


 【★1……「安全な方法」】
 緊急避妊は多量のホルモンを一度に服用する方法です。通常中用量ピルを服用している人の4倍、低用量ピルを服用している人の8倍になります。
 たとえばコンドームや低用量ピルなど、通常の避妊法と比較した相対的な意味合いでは、(体への負担が大きいという意味で)やはり安全性に劣ると思います。

 【★2……「セックスから72時間が既に経過していた場合は、緊急避妊ピル服用をあきらめてください」】
 72時間というリミットは、緊急避妊の効果をできるだけ確実なものとするために設定されています。
 が、実際には「120時間以内なら効果は望める」とも言われています。どちらにせよ、早ければ早いほど高い効果が発揮されることには違いはありません。

 【★3……「服用後2時間をこえてからの嘔吐は心配いりません」】
 ピルの成分が吸収されたあとなら、吐いても心配は要らないということです…が。
 この「成分吸収までにかかる時間」は、あるところでは4時間と書かれていますし、またあるところでは3時間とも書かれています。
 慎重にみて、「4時間以上」とするのが安心かもしれません。

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