Q35:市販の排卵日検査薬を使えば、排卵日は正確に分かりますか? A35:残念ながら、確実な排卵日はわかりません。 排卵検査薬と名がついていても、実際に検出するのは排卵そのものではないからです。 【排卵検査薬の仕組み】 脳下垂体から分泌される、「黄体形成ホルモン(LH)」というものがあります。 これは排卵を促すホルモンで、排卵前に多量に、急激に分泌されます。この現象は「LHサージ」と呼ばれます。 排卵検査薬は、このLHサージを検出するものです。 一般的に、LHサージ後、まもなく排卵が起こるとされています。 【それでも正確な排卵日がわからない理由】 一見すると非常に便利そうな検査薬ですが、注意点はあります。 「LHサージ後まもなく排卵」というのは、あくまで一般的なリズムでしかない、ということです。 つまり、 「排卵命令を出すホルモンを検出できても、実際の排卵そのものがいつ起きるかまでは断定できない」 ということになります。 また、避妊したい場合にはこれも重要なのですが、 「一度排卵が終わっても、その次の排卵がいつ起きるかは見当がつかない」 ことを忘れないでください。 「尿の濃度によっては、LHがうまく検出されないことがある」 という難点もあります。 妊娠したくない場合は、くれぐれも、排卵検査薬単体を避妊目的で使用しないでください。 具体的には、「基礎体温法に排卵検査薬を併用し、その上で毎回必ずコンドームを使う」が最良です。 【基礎体温法+排卵検査薬の効果】 排卵検査薬と基礎体温法の併用の意義は、 「排卵検査薬がLH(=排卵を促す、黄体形成ホルモン)を検出するのに対し、基礎体温は排卵時期頃から分泌され始めるプロゲステロン(=着床に備えて子宮内膜を柔らかくする、黄体ホルモン)に反応して上昇する」 という点にあります。 これにより、より確実に排卵時期を知ることができると思われます。 そのため懐妊希望の場合も、検査薬と基礎体温法の併用は有効です。 たとえば、「排卵検査薬で何日か陽性が出ているが、基礎体温がまだ低温である」というような場合は、「排卵命令は出ているが、排卵そのものはまだのようだ」と見ることができます。 基礎体温がうまくつけられていれば、ホルモン状態や性周期を把握できるだけでなく、妊娠判断がより早く、正確に下せます。 排卵時期だけ使えば良い検査薬は楽で便利(なことが多い)ですが、基礎体温法は面倒な分メリットが多くなります。 (関連情報:Q6) |
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