Q32:レントゲン/薬/アルコールの、妊娠への影響は。

A32:どれも基本的には、妊娠中に使用してしまったからといって、即中絶を考えなければいけないようなことはないと言われます。
 主治医と相談しながら、お母さんの体とのバランスを考慮していくことになるかと思います。

 【レントゲン】

 ふつうに撮影した程度では、赤ちゃんに影響が及ぶ心配はまずないと言われます。よほど大量の放射線を浴びないと、赤ちゃんの器官形成に影響するほどの線量にはなりません。
 特に歯のレントゲンなど、子宮から遠く離れた部位の撮影の場合は、まったく心配要らないと言ってさしつかえないようです。
 また、受精後1週間程度くらいまでは、仮に大量の放射線被爆があったとしても、奇形の誘発という意味合いでは問題ないとされます。この場合は死亡となるか、正常に発生するかのどちらかになると考えられているためです。

 とはいえ、妊娠中、または妊娠の可能性があるときは、レントゲン撮影はできるだけ避けるようにするのがベストです。
 どうしても撮らなければいけないとき以外は、なるべく撮影はお控えください。
 撮影する場合、時期的には、「生理開始より10日以内」が望ましいとされます。この際、生理と不正出血の混同には注意が必要となります。

 【薬の服用】

 受精後だいたい2週間くらいまで、
 つまり「妊娠前〜妊娠に気づかない時期」くらいの薬の服用については、催奇性という意味では基本的に問題ありません。
 この時期に赤ちゃんが薬剤の影響を受けた場合、流産となるか、何の影響もなく分娩に至るかの二つに一つとなります。
 (「all or noneの法則」と呼ばれます)
 また、催奇性という意味合いで赤ちゃんへの影響を特に考慮しなければならないのは、受精後3〜5週間くらい(だいたい妊娠2ヵ月にあたる時期)だそうです。
 あとは、赤ちゃんの発育や胎内環境への影響について、常時考慮していく必要があります。

 妊娠中も病気などにかかることは考えられます。薬が必要になることはあります。
 薬剤を拒むあまり、お母さんの健康が損なわれては本末転倒です。薬剤による治療が必要と思われるときにはきちんと使用したほうが良い、と言われます。
 主治医に随時相談して、検討・指導していただくようにすれば安心では…と思います。
 また、内科などにかかるときにも、妊娠している(あるいは妊娠の疑いがある)ことをきちんと伝えれば、考慮してもらえるはずです。

 そして、かかりつけの医師のほかに、「かかりつけの薬剤師/薬局」をもつことをおすすめします。これは妊娠中の女性に限らず、みなさんにおすすめしたいことです。
 院外処方のお薬は、かかりつけの保険薬局で調剤してもらいましょう。
 薬局では、「薬歴簿」を作成してくれています。どの病院の、何科にかかったときでも、その薬局で調剤してもらうかぎりは、記録してくれているはずです。
 処方された薬、これまで使ったことのある薬、個人的に買った薬…お薬について、注意事項の確認、飲み合わせのチェックなどを、気軽にしてもらえます。

 薬には様々な種類があります。
 ご自分で選んで購入・使用するよりは、医師・薬剤師にそのときの状態をよく相談し、最適なアドバイスをもらうのが確実のように思います。
(ただ、一般に市販されている薬は、妊娠への影響について心配はまずないと言われます)

 【アルコールの摂取】

 妊娠が判明して以降は、禁酒となります。
 お母さんがお酒を飲んでいると、赤ちゃんも酔っ払った状態になってしまいます。
 赤ちゃんはアルコールが抜けるのに時間がかかるので、酔った状態はお母さんより長く続きます。アルコールは赤ちゃんの脳まで達していますので、影響が心配されます。


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