Q17:中絶手術をすると、子供を産めなくなると聞いたのですが。 A17 :手術そのものが原因で不妊になるよりも、「術後の安静や検診を怠ったために不妊に繋がってしまった」というケースのほうが多いようです。 信頼できる医師のもとで受け、その指示をきちんと守れば、比較的安全な手術といえそうです。 とはいえ、手術の際に子宮が傷ついてしまうなど、事故が起こる可能性は否定できません。また、手術後、心の傷を抱えて苦しむかたが大勢いらっしゃいます。 「気軽・安心な手術」とは認識すべきでないと思います。 【人工妊娠中絶】 母体から、人工的に胎児と付属物を取り出して、妊娠を中断する手術です。胎児が母体外で生命を維持できない時期に行なわれます。 「母体保護法指定医」でないと、この手術を行なうことはできません。 現在、日本では妊娠22週未満までの人工妊娠中絶が認められています。 手術を行なう時期によって、その方法が変わります。もちろん、母体への負担の度合いも変わってきます。 【手術方法】 ■妊娠11週まで 妊娠初期の手術です。 吸引や掻爬(そうは)によって子宮の内容物を取り出します。 通常は外来で、基本的に入院は必要ありません。(ただし術後しばらくは絶対安静です) 取り出したものがきちんと確認できる5〜6週以後に行なわれることが多いようです。 ■妊娠12週〜21週6日 妊娠中期の手術です。 人工的に陣痛を起こし、「出産」するという形になります。 数日間の入院が必要になり、母体への負担が大きくなります。費用も多額になります。 また、死産扱いとなるため、胎児の死亡届を提出しなければなりません。 【妊娠の早期発見の重要性】 初期のほうが、手術の負担はずっと小さいですから、中絶するのであれば早めのほうが良いということになります。 しかし、妊娠発覚から手術決断までは、考える時間が必要になるかと思います。 妊娠週数は最終月経開始日から起算しますので、妊娠に気づく頃には4〜5週くらいにはなっています。(関連情報:Q3) 基礎体温をつけていない場合は気づくのが遅れやすいですから、おかしいと思ったときには6週やそれ以上になっていることもあります。 妊娠を望んでいない人は特に、基礎体温など身体の状態に敏感になっておく必要があると思います。 |
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